栽培/植え替え
 
筆者は生産者でも、もちろん植物学者でもありません。あくまで自己流且つ経験則に基づくお話です。
 
栽培
よくある解説に「植えてから2〜3年で花が咲く」などと言われてますが、それは温暖な地方か温室またはそれに類する屋根付きテラス等あり手入れも行き届いた場合の話し。元々熱帯〜亜熱帯性の植物には違いなく、気温10℃を下回るとやばいとは一般によく言われています。
筆者も以前12月下旬頃、中株を普通の日本家屋で南向き縁側に一晩置いたら枯れちゃったという苦い経験があります。もちろん復活も試みましたが、日中いくら暖かい縁側でも(今時新築で縁側付きの家もまれでしょうが)一晩一度きりでも寒さに当たればダメなことがあります。

当地のように冬の最低気温は氷点下が当たり前、最高気温は上がっても10℃前後という東日本で花を咲かせようと思うと、やはりそこそこの年月を要するのが普通のようです。
下記の植え替え株は元々花も実も付けていた大株からの挿し木で素性が良かったのか、3年目で数輪の花が咲き4年目で実を付けだしたのは順調な方だと思います。下の写真まで生長するのに3年足らずでしたからね。

また順調に大きくさえなればそのうち毎年花も咲くようになるもので、気長に生長を待ちましょう。やがて花が咲きだせばほっておいても必ず実り始めます。最初に実が付いてからしっかり愛情を注ぎ、3〜4年も経てば鈴生りになることでしょう。・・・・たぶん。
栽培環境
2015年2月16日撮  手前の2本植えを下記の通り植え替えました。
上写真の当方環境では基本窓越しの室内置きとなり、その室内側からはほとんど光がありません。全体の日当たりはかなり厳しいとも言え、実質窓側からの明かりのみです。日の高い夏よりも低い冬の方がむしろ日当たりは良くなり、あまり四季に関係なく新芽は出てきます。
花も基本的には初夏(4〜6月)咲きですが夏から秋も断続的に咲き、2〜3月のまだ寒い時期でも日当たりがいいと咲き出すことがあります。したがって花も実もけっこう年中見ている感じ。実の収穫も色づき熟したら採るということになり特定の時期はなく、花と色づき前の実が普通に隣り合ってあちこち同居しています。

ちなみに水やりは表土が乾いたら・・・とよく言われますが経験上以外と根腐れしやすく思われ、筆者はある程度葉が茂り始めたらその先端の葉に光沢がなくなり萎れ始めてからたっぷり水をあげるようにしています。下記の植え替え欄でいずれの葉も垂れ下がってるのが多いのはそのせいです。水を吸っても垂れ下がった状態で葉の形が固定されちゃうんです。写真の通り置き場所の窓が小さくて横から陽が差すので、垂れ下がってるくらいの方が日当たり良好?! もちろん2〜3日おきに鉢を回して向きを替え、満遍なく日が当たるようにはしています。とは言えあまりストレス掛けちゃまずいでしょうが、原産地とされるアフリカ東部は決して熱帯雨林でもありませんからね。
この水やり方法が正しいのか分かりませんが鉢の大きさによっては真夏でも4〜5日、冬ならその倍くらい水やり不要となり、いい加減でものぐさな筆者には意外と手間いらず。
肥料も半年に一度くらい大豆大くらいの室内園芸用肥料を適当に与えてるだけ。

また筆者は、コーヒーの木で病気と思われる経験はありませんが、害虫としてはカイガラムシが付きやすいようです。特にたまに日に当てようかと外に出した後など、よくどこからか拾ってきます。室内に入れてしばらく経ち、葉に粘りけあるゲル状の異物など見つけたら付近を良く観察して退治しましょう。早期のうちならそれほど酷くはなりませんし、楊枝で潰したりティッシュでつまみ取る程度で大丈夫です。
 
 
植え替え
挿し木時とおよそ1年後
左写真
12年5月、大株剪定の際切り落とした枝を挿し木とした時です。奥の挿し木はその後枯れてしまい、生き残ったのは手前左右の2本でした。
右写真
13年1月、根付いた頃窓際に移動させ、一夏過ぎると頼もしく生長してくれました。
植え替え時
挿し木から4年半、高さ約60cmと80cmに生長。花も咲き実も付けてきた株ですが、小さな鉢に2本植えではさすがにかわいそう。上述のような水やりでも2日間くらいしか保ってくれない。
っで、もう昨年から懸案となっていた植え替えを、遅ればせながら10月になって行いました。ホントは9月中までに済ませておいた方がいいでしょう。
根回りの処理
鉢から抜いた株の絡み合った根を先の尖った棒で突いたりしながら二つに分けます。古い用土も適度に落としながら絡み合った根をほぐし、あるいは一部カットし、だいたい手のひらに載る程度の大きさに。
 
下準備
直径・高さとも26cm程度の深鉢(表示は8号鉢)の底に石を置き(たまたま釜飯の蓋があったので取っ手を下にして代用)、中粒の赤玉土のみを5〜6pくらいに入れます。
 
植え込み用土
元鉢の用土も使用し赤玉土と腐葉土を7:3〜6:4程度に混ぜて新用土作り。左写真で半々に見えるけど、赤玉土を入れた上に腐葉土を入れてるからそう見えるだけ。重量比ですか?体積比ですか?なんて細かいことは考えない。
 
植え込み1
作った用土を株の根が当たるくらいまで入れて、
植え込み2
棒で突きながら満遍なく同じ用土を入れて植え込み、最後に赤玉土を薄く敷き込み見栄えもアップ。
 
完了状態
上がった鉢に底から出るくらいたっぷり水を与えて完了。二鉢で作業時間小1時間もあればOK!
二つ並んでた株を分けたため枝に隙が目立ってかっこ悪いけど、反面日が通るようになりそこへ新芽が伸びやがて枝葉も密になって来るでしょう。

尚、植え替え時の定石としてはある程度剪定すべきでしょうが、筆者はまあいいかとほっぽっておくことが多いかな? 良く言えば木の生命力に任せる、悪く言えば単にものぐさなだけ。それ故、植え替え後しばらく経つと幹周りを中心に半分程度の葉は黄色くなって落ちますが、ちゃんと根付けばしばらくして新芽が出始め回復しますので大丈夫です。肥料を与え始めるのもその新芽が出始めてからでいいでしょう。
 
ご参考までに前文の追記。

筆者の経験上秋から冬にかけて徐々に下がっていく過程の気温なら、普通に室温5℃前後まで問題ありませんでした。築半世紀近い当家に限っては実際その室温での放置が毎冬何度かありますし、今ある株は別項の幼木も含めその室温をすでに経験しています。やはり低温に慣れていく過程は大事なのでしょう。
もちろん10℃を下回らないように管理していくことは重要でしょうし、正しくすべきとは思います。

実は一度だけ真冬の暖房を入れ忘れてしまい室温が氷点下になってしまったことがあります。その時はやっちゃったーと思い一瞬悲嘆に暮れたものの、なんとその株は葉を落とすこともなく何事も無かったように耐えてくれました。その株こそ、この項で植え替えを行った2株の2年後の出来事です。

同じ氷点下でも一面ガラス戸+レースカーテン越しのみの縁側と、ガラス戸+レース+厚手カーテンを二重に閉めた部屋とでは、室温の降下スピードや氷点下前後での暴露時間にそれなりの違いはあったでしょう。
更に縁側で枯らしてしまった株は耐性うんぬんより、晴れた昼間は30℃前後にも達するヒートショックのためだったようにも思われます。
いずれにしろ株そのものの元気さや耐性の付け方付き方は重要な要素に違いなさそうです。
 
2022年11月15日 最終更新
2016年11月 3日 更新
2016年10月19日 新規追加
HOME       BACK