裏妙義/鶴峯山/失われた直登ルート 2

最終更新  2011年12月26日
国民宿舎前より鶴峯山
国民宿舎より鶴峯山(左奥)。手前のジャンダルム岩峰はなぜか地図上に記載が無い?

裏妙義風穴尾根先端に位置し、見晴らし尾根の御殿と双璧を為す岩峰に鶴峯山がある。

以前の昭文社エアリアマップ「山と高原地図」では国民宿舎からこの岩峰に直登し、風穴尾根から風穴尾根の頭に至るルートが「ルート不明で困難」との但し書きと共に記入されていた。このルートは筆者若かりし70〜80年代、妙義を登りまくってた頃には無かったもので、突然記入されたかと思うとまた最近の地図からは消されていて、筆者自身前期の記載を見るまで想像することはなかった。風穴尾根の頭〜鶴峯山間は途中の沢を含め何度か歩いたし横断したものだが、当時はその山頂から国民宿舎側へ下降出来ようとは付近の様子からもまったく考えられなかった。

そこで登路とした本ルートだがおそらくWeb上では本項が初出となり、その後厚志家の皆さんに風穴尾根と抱き合わせて登られるようになってきているらしい。稀にそれらマーキングも見つけられるものの紹介ルートとは必ずしも一致せず、終始地図とにらめっこしながらのルートファインディングを要する。
妙義に慣れた熟達者向け。風穴尾根を縦走するなら、使うかどうかはともかくそれなりの装備必須!

 

グレード(個人評価)  H  1  2  3    5  U  /  判断基準
ルート 国民宿舎→丁須の頭一般ルート→巡視道分岐→涸れ沢→連瀑帯→ジャンダルムのコル→鶴峯山山頂
総歩行時間(休憩含まず) 片道2時間、往復4時間前後で、上り下りともほぼ同じ時間がかかる。
登山適期 4月上旬〜5月中旬 及び 10月中旬〜12月上旬
地形図 南軽井沢
駐車場所 国民宿舎登山者用駐車場、または入口付近の路肩駐車スペース
注記 踏跡とも獣道とも判別できない細い道跡が時々現れる他は、まったくのバリエーションルートと解釈願いたい。特に登路とした涸れ沢は本流の見極めが難しく、多くの方は右俣にルートを誤ることが多いようだ。正解ならザイル無しに登下降不可能な上部の連瀑帯へと突入し、紹介ルートの右岸へ逃げるようになる。右岸側であれば沢を外れても本峰大岩壁まで登り詰めれば、岩壁基部を快適にトラバースしてジャンダルムのコルに続く源流へ出られる。
尚、山頂直下を除き全ルートにわたり笹は無い。

 

ガ イ ド (2002年11月10日現在)
 
  
登山口から10分足らずで籠(篭=こもり)沢を渡ると巡視道分岐(写真左)。
左へ巡視道に入れば目の前は登路となる涸れ沢である(写真中)。付近は最近伐採地となっている。
沢はしばらくゴーロが続いた後、大岩の折り重なる様相を呈してくる(写真右)。枝沢もあり目的の本流を見失わないこと。しばらくは地図とにらめっこが続く。
ちなみに水はあまり期待できないので下から用意していこう。
 
  
出合直後のゴーロと上部の連瀑帯以外、沢内は最初から最後まで大岩とチョックストーンが折り重なる。
これら写真では大きさや斜度がまったく分からないが、いずれも5〜6mの高さがあり直登も難しい所が多い。左右の立木や根っこを頼りに回り込んで通過する。
ちなみに写真左は右岸の直登、中は右に回り立木を手がかりに、右は右岸の木の根が登路となる。
 
  
ルートファインディングが正しければ、ジャンダルムのコルに至る本流は上部連瀑帯に突入する。この連瀑帯は3〜4段目あたりでまともには登れなくなり、早めに右岸の急峻な支稜に逃げる。左岸は不可。
最初の滑滝(写真左)、2段目(写真中)を登り左(右岸)を見ると、この時は良い目印となる藤の大蔓があった(写真右)。この蔓を頼りに沢から離れ、落ち葉厚い急斜面を右岸に逃げる。しばらく右岸の支稜を快適に登った後、連瀑帯の終わりを見極めて沢に戻るか、そのまま本峰の大岩壁まで登りきっても良い。
 
 
大岩壁下はまるで人工的に作ったかと思うような快適なトラバース道(実際は獣道?)がある。右に進めば先の本流源頭部に難なく出られる。
 
 鶴峯山直下より星穴岳
本流源頭部最後の岩場(写真左)を慎重に通過(この付近最近崩落があり注意)。その上から振り向けば星穴岳が正面に見える(写真右)。沢に入って初めての展望はその鮮やかな紅葉と共に、ちょっと感激ものであった。
 
  
間もなくジャンダルムのコル(写真左)で、正面には見慣れない角度からの丁須の頭が木の間越しに見える(写真中)。右手に大きく高いジャンダルム岩峰があるが、上述のようになぜか地図上にははっきりした記載が無い。
コルから左にややヤブ深い稜線を登り、山頂直下で踏跡は大岩を避け左に灌木混じりの草付きの急登となる。草付き下は絶壁。滑落したらあの世行きという危険な場所で、登り下りとも最大限の注意を。大岩を右に巻いた方が危険は少なそうだが、それでも到底安全とは言えないので各自で判断してほしい。
鶴峯山山頂はヤブの中(写真右)。しかし、山頂すぐ脇には見晴らしがあり、赤岩から時計回りに表妙義金銅山までの展望が良い。
 
   
見晴らしの岩塊山頂と、バックは相馬岳北稜つづみ岩方面。(写真左)
見晴らしより左に赤岩、右に丁須の頭。(写真中)
眼下には登ってきた涸れ沢(右岸が影となっている沢)が国民宿舎付近まで続く。(写真右)
 
  
見晴らしより赤城山方面(写真左)。
風穴尾根側へ一旦わずかに下り登り返せば西峰で、岩稜越しに赤岩(右)と烏帽子岩が高い。
西峰よりどっしりとした谷急山(写真右)。
 
  
山頂にはもう一つ岩塊の南峰がある(写真左)。標高は本峰と同程度で南東方面の展望が良い。
南峰からは表妙義の展望に優れ、特に金銅山を最も近く真裏から見られる(写真中)。
もちろん白雲山(相馬岳と相馬岳北稜)もバッチリ(写真右)。左下には国民宿舎が白く見えている。
 
鶴峯山見晴らしより眼下の紅葉
見晴らしより眼下の岩峰と紅葉を望む。写真からも分かるよう感覚的にはほとんど真上から見下ろす感じで、いかに急傾斜地を登ってきたかが良く分かる。高かったジャンダルムも指呼の間。
 
新規追加  2002年11月15日
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